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IPSG認定医院

IPSG 包括歯科医療研究会 専門の歯科医師が入れ歯のお悩み解決

飯塚歯科医院

飯塚歯科医院

嚥下力を鍛えて適切な入れ歯にすることで、寝たきりからも復帰可能

電話
04-9524-6166
住所
埼玉県本庄市中央1-5-29
診療時間
  • 9:30 〜 12:30 / 14:30 〜 18:30
  • 休診日: 木曜日・日曜日・祝日

院長飯塚 能成

「IPSG包括歯科医療研究会」で20年以上も学び続けながら、会長も務められる飯塚先生。それでも、「まだまだ学ぶべきことがある」とのこと。寝たきりだった方が嚥下トレーニングや入れ歯によって、再び起きあがり新聞を読み、笑って過ごせるまでになる姿を、実際に目の当たりにしてきました。それらの経験から、もっともっと多くの方にお口から元気を届けたいと願い、学び続けるエネルギッシュな姿を追いました。

まず患者さまに伝えたいことは何ですか?

認知症だったり、麻痺があったりするご高齢の介護を受けられている方に、とにかくきちんと噛んで食べてほしいと思っています。

歯がなく入れ歯も入れられず、声も出ない、飲み込めない方に対しては、介護士の方などがミキサーにかけたり、とろみをつけたりするなどで食事の工夫をされています。確かにそれで体の中に食べ物を届けることはできます。しかし、それでは食感がなく、おいしくありません。食べる楽しみ、生きる喜びがありません。食べ物を体内に届ける工夫をするよりも、要介護高齢者の方が「噛めるようになる」ようになってほしいと思います。

そして噛まないで食べることは、誤嚥の原因にもなります。噛むことは大切です。欧米ではスープも噛んで食べます。日本のように「すする文化」はありませんからね。日本でもきちんと噛んでもらいたい。

みなさん自分の口しか知りませんから、どういう状態がいいのかわからないかもしれません。でも前には噛めたのに噛めなくなったという方には、しっかりと治療を受けて、昔のように噛めるようになっていただきたいですね。それが健常な状態ですから。

噛めるようになると、どんなご高齢の方でも、どんなに元気がなくなっていた方でも、元気になります。

わたしは摂食嚥下訓練器具を使った嚥下のリハビリも行っています。なかなかそこまでやっているところは他にないと思います。しかし、何度も肺炎を起こしている患者さまでも、そうやって嚥下トレーニングを行うと、治ります。肺炎を起こさなくなります。

たとえば88歳の女性で、寝たきりで寝返りも打てなくて、3年半胃瘻だった患者さまに嚥下トレーニングをして、口から食べさせてもらうようにしました。そして入れ歯を作ったら食べる喜びも生まれ、体力もつき、元気になっていきました。やがて歩けるようになり、麻痺していた手も上がるようになりました。以前はいつもパジャマ姿で来ていたのが、おしゃれをするようになりました。そしてある日、待合室から笑い声が聞こえてきました。

「あれ? まさかあの方?」

待合室を覗くと、かつては寝たきりだったその方が声を上げて笑っていました。その次の診察のときには眼鏡をかけて、新聞を読んでいらっしゃいました。

7年経ったいま、95歳です。体重も10kg増えて、お元気になりました。とても不思議ですが、そういうことが現実に起こるのです。

いま、誤嚥性肺炎の問題から、嚥下が注目されています。呼吸と嚥下はワンセットです。呼吸しながら食べ、嚥下するときは呼吸が止まるのですから。このワンセットは脳の指令を出す部分・脳幹の延髄という、生命の維持に不可欠な指令を出す部分にあり、生まれたての赤ちゃんにも備わっています。赤ちゃんはおっぱい飲むことでいろいろな筋肉を鍛え、内臓ができあがっていき、いろんな知識を得て、脳が成長発育していきます。麻痺などで動けなくなった方でも、嚥下と咀嚼の力を鍛えることで、全身がよくなっていきます。

なぜ、特に入れ歯を学ぼうと思われたのですか?

30年前に開業し、母と一緒に暮らすようになって、母の入れ歯を作ったときに、毎日食事の際に「痛い」と言われ、それがストレスでした。「もう少し上手な入れ歯ができないかなあ」と思ったことがきっかけです。

元々、入れ歯の技術を身につけたいという思いはありましたので、勉強を始めました。「IPSG包括歯科医療研究会」で学ぶようになってから、既に20年です。

最初は入れ歯の何が原因で難しいのかがわかりませんでした。入れ歯というのは、噛み合わせから解剖学、嚥下まで、非常に多くの知識がなければなりません。型を取り、それを技工士さんに渡したら入れ歯ができると思うのは初心者です。技工士さんに適切な指示が出せるようになる必要があります。技工士さんにも一緒に勉強してもらわないと、入れ歯に関する考え方が違うために、指示が伝わりません。わたしはお願いする技工士さんと共に学びました。

口の中は、百人の患者さまがいたら百人とも違います。個性があります。同じものはひとつとしてありません。それぞれの口について見抜けるようになるまでには経験が必要です。20年学んでも、まだまだ学ぶことがあります。進化し続けています。深いんですね···。

特に勉強になったことは何ですか?

「IPSG包括歯科医療研究会」で学んでいておもしろい点は、教わったことが翌日、患者さまの診療で実際に役立つことです。治療結果がよくなります。患者さまにストレスがなく、楽になります。

特に感心したのは顎関節症の治療です。専門医にかかったり、大学病院に行ったりしても治らなかった方が、「IPSG包括歯科医療研究会」に来て、帰るときには「ああ、治りました」と、何年もの間治らなかったのが、その日のうちに治ったりします。痛みがつらくて、どこに行っても、悪いところがないように言われて帰され、痛みに悩み続けたことが解決します。

だいたいの原因は噛み合わせです。レントゲン撮影をして、噛み合わせを見るために模型を取って、咬合器という噛み合わせを診る機械で調べて、顎機能検査という顎の動きを記録できる機械をつけて診ると、どこに問題があるかがわかります。関節がずれたりしています。関節円板が落ちていると顎は絶対に開きません。握り寿司などが食べられません。リンゴを切ったものが入らないくらい、わずかしか口が開かないんですよ。でも、その顎ががたつく原因を調整したり、落ちていた関節円盤を正しい位置にのせてあげると

「あ、口が痛くない!」

「ああ、久々に口が開きます」

「頭痛が消えました」

と、ほとんどの方がその場で大幅に改善します。もちろん、きちんと治すにはそこからリハビリテーションなどに時間がかかります。けれど多くの場合、一応噛めるような状態にするくらいは、その日のうちにできます。

プライベートの時間はどう過ごされていますか?

休みの日は「IPSG包括歯科医療研究会」に来ています(笑)。その他には水彩画や油絵など絵を描くことが趣味です。子供の頃からやっていて、子供二科展に出展したりしていました。

大学では美術部に入り、日展の審査員をされている先生に教えてもらいました。開業してから、石膏デッサンなど基礎を3年半やりなおしてから再び、本格的に描くようになりました。太平洋美術会という120年ほど歴史のある団体に入り、20年ほど活動しています。毎年、年に1回の乃木坂の国立新美術館で行われている「太平洋展」に100号の油絵を出展しています。絵を描きはじめると、つい夢中になって夜中まで描き続けてしまうので、抑えています。

いまの一番の趣味は、「IPSG包括歯科医療研究会」に行くことですね(笑)。ちらっと覗いただけでも、毎回得るものがあります。レベルが上がると、以前は気づかなかったことにも気づけるようになります。同じものを見ても、得るものが違います。

かつて、開業して十年ほど経ったときに「IPSG包括歯科医療研究会」に来て、自分の診療の質の悪さに気がつかされました。模型作りからして違いました。最初は平気で持っていきましたが、他のみなさんの模型を見たら、自分が作ったものが恥ずかしくて他人に見せられないものだとわかりました。最初は丁寧に直していただき、それを見て学んでいきました。

「IPSG包括歯科医療研究会」に行くたびに成長します。答えはひとつではなく、幾通りもあることがまたおもしろいのですよね。死ぬまで一生勉強です。

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