まず、入れ歯治療について、患者さまに伝えたいことを教えてください。

私は、「患者さまに笑顔で帰っていただくこと」を診療理念に開業して20年になります。お口の中のことは何でも相談していただける歯科医院として、お子さまに対しては、健全な口腔を形成することで将来の豊かな人生に役立つように、そして、大人の方には、健康を維持して充実した毎日を送り、また失われた機能を補うことにより終末までの健康維持をお手伝いし、寝たきりを予防する。そんな歯科医院をめざしてきました。

その中で、診療の柱になってきたのが、「IPSG包括歯科医療研究会」で学んだ噛み合わせの知識と入れ歯治療です。入れ歯については、それまでもある程度自信があったのですが、「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯と出会い、目からウロコと言うか、衝撃を受けました。それは今までの入れ歯とは機能性がまったく違うと感じたのです。以来、稲葉繁先生の理論に少しでも近づくようにと研鑽を積みました。実際に「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯をご提供すると、患者さまが「しっかり噛める」「快適」「見た目も全く気にならない」と、とても満足してくださることを実感しました。当院のある地域もだんだん患者さまの高齢化が進んでいますので、これから当院のドイツ式入れ歯治療がお役に立つのではないかと思っているところです。歯をなくされた方、入れ歯が合わないとお悩みの方には、ぜひ来院していただきたいと思っています。

IPSG包括歯科医療研究会との出会いについてお聞かせください。

私は開業してからも、歯科医師としてステップアップしたいと考えて、さまざまな勉強会やセミナーに参加して学んでいました。20年ぐらい前、ある学会に参加させていただいた際、「インプラントに頼らず、高度な機能修復ができる入れ歯」があると知り、「IPSG包括歯科医療研究会」の門戸をたたいたのがはじまりです。今から思うと、私にとっては本当に大きな出会いでした。稲葉先生に噛み合わせと入れ歯治療を学ぶことができ、歯科医師として違う道に進めたと思っています。私は実はまわりに流されやすい、楽な方に流されやすい性格なので(笑)、「IPSG包括歯科医療研究会」と稲葉先生を知らなければ、もっと歯科治療を甘く考えていたのではないかと思うんですよ。「IPSG包括歯科医療研究会」に出会ってからは、私の歯科医師としての背骨はここだと考えています。

最近は、「IPSG包括歯科医療研究会」に地方から参加される先生方も増えましたが、当時はほとんどが首都圏の先生で、遠方から通っているのは私ぐらいでした。新幹線を使うと比較的便利ですが、初めの頃は毎週のように上京していましたから、それなりに苦労はありました。でも、学び続けたいという思いの方が強かったですね。稲葉先生という尊敬できるお手本を知ったことで、私も成長できたと感じています。常に追いつきたいと努力してきましたが、稲葉先生は今もどんどん進化されていますから、どこまでもついていきたいと思います。

IPSGと出会い、治療はどのように変わりましたか。

入れ歯治療は、「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯を取り入れ、患者さまにぴったり合う、しっかり噛める高機能な入れ歯を提供することができるようになりました。同時に、噛み合わせの重要性や顎関節症治療を学んだことで、歯科診療全体が変わったと思います。顎関節症は一般の歯科開業医にはあまり関係のない領域だと考えていましたが、場合によっては、顎関節症の原因が歯科治療であることを認識して、治療に臨む姿勢も変わってきました。こうしたことを知らない歯科医師とは、まったく世界が異なってきたと思います。患者さまにも、歯を噛み合わせる力は､首や肩、腰、膝にまでつながるさまざまな筋肉を動かしていることや、噛み合わせが悪いと姿勢、頭の位置、顔のゆがみ、首や肩のこり、腰痛、ひざの痛みまで、身体全体に大きな影響を及ぼしかねないことを理解していただくように努めています。

先生の診療方針やクリニックの特徴を教えてください。

ひとことで言うと、当たり前のことを当たり前に実践する治療、対応を心がけるということですね。そして単に歯を治療するだけでなく、口腔を健康の入口と考え、再発を防ぎ、増悪を防ぐための定期検診を重要視し、歯が悪くなってから通う場所でなく、健康な人がより健康になるために通う歯科医院をめざしています。

「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯を学び、稲葉先生に噛み合わせの重要性と改善法を教えていただきました。そのため、顎関節症・総義歯・部分入れ歯が当院の強みです。そして機能性と審美性の両面を重視した歯科治療によって体全体を健康に導き、歯科医院をもっと身近な存在にしたいと考えながら診療に取り組んでいます。

設備面では、歯科用CTをいち早く導入し、矯正治療だけでなくインプラント、歯周病、親知らず、根管治療などにおいて、立体的な臨床画像の精査・診断を行い、より多くの症例に対応できるよう努めています。院内には、細菌やウィルスを除菌するといわれている次亜塩素酸水を感染予防と治療に活用するなど衛生管理を徹底しています。具体的な治療面では、できるだけ｢歯を削らない、神経をとらない、歯を抜かない｣治療を心がけ、また、どんな治療の際にも噛み合わせのチェックには力を入れていますし、病気にならないための健康管理や生活習慣での予防のアドバイスも行い、トータルな歯の健康づくりに取り組んでいます。そのため、場合によっては治療の回数が多くなったりすることもありますが、患者さまにも治療や予防の必要性を理解していただけるように説明はわかりやすく、納得できるようなアドバイスを重ねながら信頼を築くことに重点を置いています。

先生のプライベートや、新潟の地域性についても教えてください。

私はそもそも医療関係に興味を持っていたことから、歯学部に進みました。卒業後は、勤務医を経て、1996年に新潟に戻って開業しました。休みの日は今も研修会やセミナーに行くことが多いですね。時間がある時は車で遠出もしたり、細かいことが好きなのでジグソーパズルに凝ったりしています。

新潟県は、実は日本一むし歯の少ない県なんですよ。全国に先駆けて、1970年代から学校でのフッ素洗口に力を入れ、また90パーセント以上の保育園や学校で給食後の歯磨きを実施していますし、歯ブラシの購入額の高さも全国有数です。歯の健康は全身の健康、そして長寿につながるという考え方のもと、未成年だけでなく成人に対しても定期的な歯科検診や歯磨きを奨励する歯の健康先進県なんです。むし歯の本数は、12歳児で1人あたり0.4本。だから将来的にも、むし歯治療より、予防や噛み合わせなどの治療の方が主流になっていくでしょうね。新潟県全体では人口が減り始めていますが、私のクリニックがあるエリアは、最近、新潟市に併合されたところで、新しく開発が進み、子どもさんのいる世帯も多い地域です。ですから、若い世代に対してはお口の健康を維持する予防歯科や噛み合わせ治療に力を入れ、大人の方には、入れ歯を含めてトータルに対応していきたいと考えています。

最後に、これからめざすところについてお聞かせください。

「IPSG包括歯科医療研究会」のモットーを理念に精進を続けていきたいと思います。「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯のような先端の医療を地方で手がけていく苦労はもちろんあります。「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯がどういうものか、全く知らない患者さまも多いので、思うようにはいかない部分もあります。しかし、少しずつ当院の入れ歯治療を求めて、遠方から来てくださる患者さまも増えてきているので、これからに期待しています。稲葉先生からは、常に最高の入れ歯をご提供するというつもりで、一人ひとりの患者さまに対応しなさいと言われています。竹内歯科の診療ならば安心、竹内歯科の入れ歯ならば信頼できる、そう思っていただける患者さまを少しずつ増やしていきたいと思います。