患者さまに伝えたいことは何ですか？

「入れ歯になってから、うまく噛めない」とか、「総入れ歯が合わない」など、入れ歯で悩んでいらっしゃる患者さまには「入れ歯なんてこんなもの」とあきらめずに、ぜひ治療にいらしていただきたいと思います。

「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯を学んだ現在は選択肢が広がり、より良い提案ができるようになりました。自信を持ってすすめられる治療法なんです。

「いろんな歯医者さんに行ってみたけど、ダメだった」など、今までの治療でうまくいかなかった患者さまやふつうに治療ができなかった患者さまに、特に「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯をおすすめします。また外科処置、インプラントとの二者択一で、どちらにも踏み切れずにいる患者さま、あるいは全身疾患でインプラントにしたいのにできなかった患者さまはぜひ検討してみてください。

ただ治療にかかる時間に関しては、長くなります。これまでは1ヶ月かからずに、ときには1週間で入れ歯ができていました。しかし「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯を作る場合には、数カ月かかります。診断するために特別な方法で型を取り、それを模型にいったん起こします。その模型から診断をしたり、その模型を使って患者さまに問題点や今後の治療についてご説明したりします。そして、「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯を一緒に学んだ技工士さんと話し合いながら、入れ歯を作ります。特殊な技術を学んだ技工士さんでなければ、「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯を適切に作れないので、一緒に学んだ技工士さんでなければなりません。また「IPSG包括歯科医療研究会」で学ぶ前は、技工士さんに入れ歯制作を依頼する際にはほとんどコミュニケーションをとっていませんでしたが、現在は一緒に作っていくというスタンスです。

特に歯が数本欠損して生活に不自由を覚えている方なら、「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯の良さを感じられると思います。時間をかけてしっかりと検査・診断を行い、丁寧に作りあげた入れ歯は本当に良いものです。

そして、いくら良い入れ歯でも、やはり自分の歯にはかないません。自分の歯が残っている場合にはそれを大事にしていただきたいのです。当院は歯科衛生士が予防治療に力を入れています。お子さまの治療も行っていますので、親子でご来院いただき、できる限り永く、親御さまもお子さまも自分の歯の健康を保てるようにしていただければと思います。

なぜ、特に入れ歯を学ぼうと思われたのですか？

入れ歯にはずっと興味があったのですが、その一方で入れ歯治療は不得手と感じていました。できる限り入れ歯治療は避けたい苦手な治療でした。わたしは親知らずなど抜歯関連の外科治療が得意でしたし、インプラント治療についても勉強し手掛けてきました。しかし入れ歯治療の場合、問題なくスムーズにいくケースは良いのですが、難しいケースになるとどうしても手が出せませんでした。しかし、外科的処置は患者さまの全員が好む治療ではありません。痛い思いをしない治療を望む患者さまがとても多くいらっしゃるんですね。

歯科医として、入れ歯治療ができないというのでは良くないと感じていました。逃げずに入れ歯治療をやりたい、きちんと勉強して患者さまに還元したいと思い、3年前「IPSG包括歯科医療研究会」で勉強を始めたんです。勉強を始めたら入れ歯治療のイメージががらっと変わり、そのままどっぷりとつかってしまいました（笑）。

入れ歯治療のイメージはどのように変わりましたか？

「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯は、わたしが抱いていたイメージとは全く違う入れ歯でした。

一般的な入れ歯は取り外し式で、食べ物を噛むと入れ歯が動いてしまうこともありますし、発音の時にどうしても不具合が出てしまいがちです。食べる物に関しても「こういうものは食べないでくださいね」という指導を必ずします。

ところが、「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯は、そういう食事に関する制限指導が必要ありません。「どんな食べ物でも、ふつうに噛んでいいですよ」と言います。また通常の入れ歯は「寝る時は外してください」とお願いしています。これまでの入れ歯は歯に負担をかけることが多いからです。バネを軸にして、入れ歯がバネをかけた歯に寄りかかって噛むという感じなので、食事などをするときだけでなく、ふだん歯を噛みしめた状態でいるときに、入れ歯をつけたままですと残っている歯に負担がかかります。

完璧に上下左右のバランスがとれた入れ歯なら、負担も均等になりますが、これまでの入れ歯ではしばしばバランスが悪く、無理につけていると口内炎になるなどのトラブルも起こります。

しかし、「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯なら、一日中寝る時もつけたままにしておけます。介護施設などでケアマネージャーが入れ歯を回収して、食事のときだけしか配らないケースを見聞きします。入れ歯がないと話すのも不便ですのに…。でも「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯なら、ずっとつけっぱなしにしておけるんです。

患者さまにとって良いことばかりの入れ歯です。この「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯に出合って感動し、「これしかないな」と思いました。

今後はインプラント治療を行わなくてもいいかなとも思っています。インプラントに比べて、ドイツ式入れ歯の良い点はメンテナンスができる点です。失敗を前提とするわけではありませんが、インプラントは一発勝負です。たとえば転倒して歯を折るなど、さまざまなことが起こり得ます。万が一何かあったときに、インプラントは修理が難しい場合もあります。一方ドイツ式入れ歯は作り直せるんですね。

治療はどのように変わりましたか？

まず顎関節をしっかりと診るようになりました。「IPSG包括歯科医療研究会」で学ぶまでは、患者さまの顎の癖、また顎が開きづらいとか顎関節がおかしいといったことには全くアプローチしていませんでした。顎関節の問題がある患者さまがいらっしゃると、大学病院にご紹介したりしていました。

いまは、顎が正常に開いて違和感なく、閉めても食事ができるか…そういったことをしっかりと診るようになりました。顎関節に関してきちんと問診することで、治療が非常に変わります。ご高齢の患者さまの中には「口が開きづらい」といった顎関節の悩みをご自分からおっしゃる患者さまもいますが、自分からは言わない患者さまも少なくありません。こちらからよくよく聞いていくと不具合を感じている人が多いことに気づかされます。

顎関節をきちんと見て、基本的な基準点に近づけるようにして入れ歯を作ることで、表情や筋肉にマッチしたものができ、顎関節も大体良くなります。結局、バランスが悪い入れ歯は基準点と大きくずれているんですよね。

歯科医になったきっかけは何ですか？

祖母と母が歯科医でしたので、子供の時から「大きくなったら歯医者さんになろう」と思っていました。子供の頃、母がしっかり歯の管理をしてくれていたので、虫歯もほとんどなく、歯科に行ったこともほとんどありません。歯医者さんで痛い思いをするなど、ネガティブなイメージをもったことはありませんでしたね。

患者さまがリラックスできるように...など医院で工夫されている点はありますか？

つい先日、ドイツ製のユニット（椅子や、歯を削る器具、うがい台などのセット）に入れ替えました。これまでのユニットと一番違う点は、歯を削るための機器です。効率的に削れるので時間短縮になりますし、冷やす仕組みにより歯が熱をもたず、これまではあった削るときの痛みがほとんどなくなりました。

椅子もちがいます。「IPSG包括歯科医療研究会」ドイツ式入れ歯においては、基準点をとることが非常に重要で、体の中心の軸をとらないと治療ができません。このドイツ製ユニットの椅子だと、患者さまの首の位置も自由がきき、基準点を正しくとることができます。

歯科医の診療姿勢は猫背になりがちですが、このユニットではそれがなく、適正な姿勢で診療が行えるため適切な動作に繋がり、うまく治療が行えます。

使っている水も異なります。水がきれいであるだけでなく、水温が体温に近いため、歯にしみにくいんですよね。患者さまに優しいユニットだと思います。

診察時間のプライベートタイムなどはどう過ごされていますか？

湘南の海が近いので、サーフィンをやっています。わりと形から入るほうなので（笑）、道具から揃えて自分の板も持っています。ドライブも好きなので、小田原方面に抜ける西湘バイパスを、海を見ながら走ったりします。でも、今は子供が1歳半と小さいので、子供と遊ぶ時間が何より楽しいですね。